こんにちは。介護福祉士のヒイロです。
今回は、有料老人ホームを辞めたい時の対処法についてお伝えいたします。
有料老人ホームは民間企業が運営しているので、他の介護職よりも「サービスの質」を特に問われます。
合う・合わないがあるので、どうしても合わない場合は早めに辞めることも視野に入れましょう。
有料老人ホームを辞めたいパターン
有料老人ホームを辞めたくなるパターンは、大きく分けて3パターンあると思います。
- 仕事内容のギャップ
- 接遇マナーの厳しさ
- 人間関係や仕事内容の厳しさ
順に解説していきますね。
有料老人ホームの仕事内容のギャップとは?
「有料老人ホーム」は、主に民間企業が運営する老人ホームです。
損保ジャパンやベネッセなどの大手企業が運営する有料老人ホームから、小規模の事業者が運営している有料老人ホームまでマチマチです。
そんな有料老人ホームですが、大きく2種類のタイプがあります。
- 介護付き有料老人ホーム
- 住宅型有料老人ホーム
それぞれ違いは色々あるのですが、一番大きな違いは身体介護を誰がやるかです。
「1.介護付き有料老人ホーム」は施設のスタッフが身体介護をします。
一方で、「2.住宅型有料老人ホーム」の場合、施設のスタッフは見守りや生活支援(掃除・洗濯など)をして、身体介護は訪問介護事業所のスタッフが行います。
ちょっとややこしい部分ですが、働く側からすると、メインの業務はこうなります。
- 介護付き有料老人ホーム:身体介護
- 住宅型有料老人ホーム:見守り・生活支援
仕事内容のギャップが生まれやすいのは、身体介護のスキルを身に付けるために有料老人ホームに転職したのに、転職先が「2.住宅型有料老人ホーム」だった場合です。
この場合、身体介護をすると思っていたのに、生活援助がメインで全然身体介護のスキルが身に付かない…という事態に陥ります。
逆パターンで、見守りメインだと思っていたのに身体介護メインだった…ということもあり得ますね。
有料老人ホームで働く場合、勤め先の有料老人ホームがどのタイプのホームなのかチェックしておきたいところです。
接遇マナーの厳しさ
接客・接遇マナーに関しては、有料老人ホームでは特に厳しく指導されます。
特別養護老人ホームは入居者さんは「利用者」ですが、有料老人ホームでは「お客様」という意識が強くなります。
特養は入る方も費用が安く済むのでそこまでの接客は期待していませんが、有料老人ホームは入るのに莫大な資金がかかるので、どうしても質の高いサービスが要求されます。
例えば初期費用1,000万円!なんていう有料老人ホームもあるので、高級ホテル並みのサービスを求められる施設もあります。
和気あいあいと介護したい方にとっては、有料老人ホームの接遇マナーは息苦しく感じることもあるでしょう。
僕自身もこのタイプで、前の訪問介護事業所はかなり接遇に厳しいところだったので、すごく苦しかった思い出があります…
人間関係や仕事の厳しさ
これはどんな仕事にも共通してくる部分ですが、介護職は人間関係に悩まされやすいです。
特に、施設系の介護職員は密室空間での仕事になるので、同僚との関係が悪いと逃げ場が無くなります。
例えば営業のような職種なら、職場の人間関係が悪くても外周りで一人で息抜きもできますが、介護職員はそうも行きません。
また、介護業界特有の仕事の厳しさもあります。
排泄介助は慣れてもやはりキツイ仕事ですし、体力を使う場面も多々ありますし、腰痛のリスクは常に抱えています。
さらに、個人的にキツイなぁ…と思うのが、働きぶりに対して給与が見合っていない…ということですね。
有料老人ホームは介護職の中では比較的給料は良い方ですが、それでもやっぱり全産業に比べると給料は低い水準です…
どうすればいい?有料老人ホームを辞めたい時
有料老人ホームを辞めたい時の3パターンをご紹介してきました。
ここからは、有料老人ホームを辞めたい時にどうすればいいのか?具体的にどうすればいいの?というところを解説していきます。
有料老人ホームを辞めたい時にとるべき対処法、行動です。
好きなことを思いっきりやる
仕事が辛すぎて衝動的に「辞めたい…」と思っていることも多いです。
一時的な感情に振り回されて衝動的に辞めてしまうと後悔します。
まず、自分を取り戻しましょう。
僕が介護職を辞めたい…と強く思っていた時は、冷静な自分の判断ができなくなっていて、常に辛い…苦しい…という毎日を送っていました。
ストレス発散が下手くそなので、溜め込む一方なんですね。
自分が今、冷静ではなく、イライラしてムカムカして、それかメソメソして悲しかったりとか、とにかく感情的になっていると思ったら、まずそれを落ち着けることが先決です。
嫌な感情を落ち着けるためには、好きなことをやることです。
好きなものを食べる、好きな音楽を聴く、好きな映画を観る、好きな漫画を読む。
そういう身近なことでいいんです。
意図的に自分が好きなことをやっていれば、自然と自分らしさが戻ってきて、冷静に判断できるようになってきます。
運動もおすすめ
僕は文化系なので運動嫌いなんですが、ジムの習慣を入れたら病みにくくなりました。
正直、運動自体はやっぱり楽しくないんですけど、その後の爽快感・体の軽さは好きなんですよね。
介護職の中には運動をやっていた方も多かったりしますので、自分がやっていたスポーツをしてみるのはどうでしょう?
バスケでもサッカーでも何でも。
特にそういう習慣が無かった場合は、ウォーキング・ランニングだけでも十分です。
コツとしては、大きな公園とか気持ちのいい空間ですることですね。
人間って単純なもので、気持ちのいい空間で気持ちのいいことをしていると、次第に元気になってきます。
お試しあれ。
冷静に考えて辞めたい時は?
いやいや、普通に今の有料老人ホームにいても未来が無い、冷静に考えて辞めたい…!という時には、辞めるための算段をしっかり立てるべしです。
まずやることとして、今の職場の不満点を紙に書き出すこと。
頭の中でボンヤリとモヤモヤ嫌な感じをひきずっているのが一番よくないので、何が嫌なのか?紙に書き出します。
人間関係なのか、給料なのか、有料老人ホームという業態が嫌なのか、介護職自体が嫌なのか、夜勤が嫌なのか…とか。
まずそれを書き出すだけでもスッキリします。
その後で、じゃあその不満を解消するためにはどうすればいいのかを書く。
例えば…
- 夜勤が嫌だ ⇒ 夜勤の無い介護職って何があるか調べる
- 有料老人ホームが嫌だ ⇒ 特別養護老人ホームの仕事ならできるか調べる
- 給料が低いのが嫌だ ⇒ 介護職が給料を上げるにはどうすればいいのか調べる
こんな感じで、嫌なことが分かれば、じゃあ嫌なことをしないためにどうすればいいのか?具体的なアクションプランが見えてきます。
一人で辞めたいプランを立てられない時は…?
こういったプランを自分で立てられる人はいいのですが、一人では考えすぎてワケが分からなくなることも多々あります。
僕自身も考えすぎて頭がショートしやすいタイプです。
僕は介護業界で転職を経験していますが、その際には自分一人では無理だと思ったので、介護転職のプロに相談しました。
具体的には介護職の転職エージェントに相談したのですが、話すだけでも自分の考えがスッキリ整理できたのを覚えています。
友人・知人・家族に相談するのもいいんですが、介護業界のことと転職市場のことを詳しく知っている人ってそういないんですよね…
アドバイスはありがたいのですが、実情に合っていないことも多々あります。
相談するなら、介護業界のことと転職市場のことを分かっている専門家に相談した方が、具体的で的確なアドバイスがもらえます。
一人でモヤモヤしてしまう方は、相談してみるのがいいと思います。
まとめ
有料老人ホームを辞めたいパターンは3つ。
辞めたい場合はまずはリフレッシュしてから。
冷静に考えて辞めたい場合は、辞めたいポイントを明らかにすること。
一人では煮詰まってしまいそうならプロに相談しよう。
今回はそんなお話でした。
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